このページでは、短期離職した人に対して面接官が懸念している点と、それに対する対策の解説でした。
筆者自信、短期離職と転職を繰り返してきました。
正社員の経験だけでも3社あり、1番長い会社でも1年と2ヶ月で辞めています。
しかしだからこそ面接経験も豊富で、最終的には年収を370万円から500万円にアップさせることができました。
そんな筆者だからこそわかる、面接官が見ている最重要ポイントは、次の2つです。
- うちでは定着してくれそうか
- うちでは活躍してくれそうか
新卒の就職活動と転職活動は、当然ですが見られているポイントが違います。
それにも関わらず、若いうちに短期離職した方ほど、同じノリでもう1度頑張ろうとしがちです。
業界研究を頑張ろうとか、質問にはハキハキと簡潔に答えようとか。
「第二新卒」などと呼ばれて何となく許されている感があると、特にこの傾向があるのではないでしょうか。
もちろんそういったことも大事だとは思います。
ただ、それだけではもう高い評価を得ることはできません。
新卒採用とは異なる中途採用向けの対策が必要です。
それに気がつかずに転職活動を続けても、望んだ結果を得ることは難しいでしょう。
では、短期離職したあなたは、実際にどんなことを意識したり対策したりして面接に挑めばいいのでしょうか。
このページを最後まで読めば、
- 面接で見られているポイントがわかる
- どのように面接対策すればいいのかわかる
- 短期離職を繰り返さなくていい方法がわかる
このように問題が解決します。
短期離職を会社のせいにするのは絶対NG
この人を採用したところで、どうせすぐ辞めちゃうんじゃないだろうか
これは短期離職した人が特に心配されている点です。
言ってしまえばすでに「前科」があるわけですから、当然ですよね。
これに対して、自分が短期離職した「正当な理由」を述べることで理解してもらおうとしてしまう人は少なくありません。
- 「前の会社はこんなにひどい職場だったんです」
- 「入社前に聞いていた話と全然違いました」
- 「私だけでなく同期も辞めています」
もちろん気持ちはわかります。
本当にあなたは悪くないのかもしれません。
しかし面接官からしたら、それを聞いたところであなたを採用したくはなりません。
当たり前ですが、中途採用の目的は、企業の利益を増やすためです。
この人を採用したらうちは得するか?
こういう目で見られています。
決してかわいそうな人を救うための慈善活動ではないわけです。
そして、企業が得するための最初の条件は、入社後に定着してくれること。
すぐに辞められたら得するどころか、採用コストだけでも大損してしまいます。
わざわざ履歴書をチェックしたり、面接官をアサインしたりと手間がかかっているだけではありません。
採用した場合は転職エージェントに報酬を払わなくてはいけないこともあります。
ですから採用した人が短期で辞めてしまうというのは避けたいことなんです。
新卒ならこの部分をいきなり疑われることはほぼないでしょう。
前の会社を3年以上勤めてきた場合も大きな心配はされにくいかもしれません。
ただ、短期離職した人は違います。
やっぱり疑う目で見られます。
ですので、あなたは面接官の懸念を解消しなくてはいけません。
自責思考で生まれ変わったことをアピール
それではどうすれば面接官に短期離職せず定着してもらえると考えてもらえるのか解説します。
まずやらなくてはいけないのは、他責思考ではなく自責思考で反省していることを示すことです。
仮に本当に前の会社が悪い場合であったとしても、自分は被害者だなんて開き直ったり割り切ったりする言動を見せてはいけません。
その会社を選んだの自分です。
リサーチ不足や、いい加減な妥協など、会社選びの段階で失敗してしまったことを反省しましょう。
そして二度とそのようなことがないように、反省を活かして転職活動している姿勢を見せましょう。
「会社が悪かったから仕方ない」なんて姿勢は、面接管からしたらいかにも短期離職しそうな無能な人にしか見えません。
だからここはあえて極端に、短期離職の原因は0対100で自分だけが悪いくらいの自責思考でいきましょう。
例えば希望の部署に配属されなかったことが原因だったとします。
それは「あらかじめその会社の入社後の流れや組織体制をリサーチし切れずに選んでしまった自分が悪い」と考えるのです。
ある程度部署のたくさんある大きな会社なら、そのようなことがあるのは決して想像に難くなかったと思います。
- 本当に入社前に1%も予想できないことだったか?
- 給与や企業のランクなどを優先して不安から目を背けていなかったか?
- 早く就活を終わらせたいなんて誘惑に負けなかったか?
このように徹底的に自分を見つめ直し、短期離職を繰り返さないためにどう改善したかをきちんと面接官に伝えましょう。
そうすると面接官からは、同じ失敗を繰り返さないために反省して改善できる優秀な人だと思ってもらえます。
人間としての素直さや謙虚さもアピールできるので一石二鳥です。
前の会社への不満を言いたい気持ちもわかります。
ですが落ち着いて、自分がどういう姿勢でいたら得するのかで考えましょう。
会社のせいというスタンスで自分の非を認めないのは損します。
前の会社への怒りで自責思考が難しかったら、客観的に話を聞いてくれる転職エージェントなどに相談をしてみて、自分の反省すべき点を教えてもらいましょう。
よっぽどの事件性があるわけでなければ、100対0で会社だけが悪いなんてことはそうそうないはずです。
入社後に活躍するイメージを共有できなければNG
ここまで、他責思考ではなく自責思考で面接に挑まなければ、またすぐ辞めると思われるだけだということを解説しました。
しかしそれだけではまだ不十分です。
すで述べているように、中途採用の目的は、企業の利益を増やすためです。
この人を採用したらうちは得するか?
こういう目で見られています。
短期離職を反省し改善しているというだけでは決め手に欠けます。
では、どうすればあなたを採用したら得すると思ってもらえるのか?
入社後にあなたが活躍する人材だと思ってもらうことです。
ちなみに面接官が1番活躍を期待するのは、全く同じ業界や職種の実務経験やスキルがあり、すでに高い実績を出している人材です。
これは当たり前ですよね。
しかし短期離職しているあなたは、中々そんな絵に書いたような即戦力ではない可能性が高いでしょう。
ここからは、それを前提に解説していきます。
未経験の業界・業種への転職の際は要注意
全く未経験の業界や職種の会社に転職する際は、さらに注意が必要です。
理由は簡単。
やったことないのにやりたいと言っている人ほど、短期離職する可能性が高いと面接官に思われるからです。
こういう場合、大抵はその業界や職種に憧れを持っていて、それが現実とマッチしていない理想像になってしまっていることが珍しくありません。
それだと現実を知った時にすぐ辞めるのではないかと懸念されてしまいます。
実は筆者は面接先の会社をよくリサーチして、前向きにいいところを探すタイプです。
そして面接では「御社のこういうところに共感し、感銘を受けました!」など積極的には話していました。
それが結果的には気に入られて転職成功に繋がっています。
しかしそういう話した直後には高確率で「いや、実際はそんな大したことないよ」と苦笑いされていました。
私の場合は本当に入念にリサーチを重ね、かなり具体的に話していたつもりです。
だからこそ憧れが理想が大きそうだと思われつつも、それ以上に熱意や純粋さのほうを買われて気に入ってもらえたのかなと振り返ると感じます。
ただふわふわした妄想を抱いているだけだと思われたらアウトだったでしょう。
どんな業界や業種でも、仕事として責任を持ってやらなくてはいけないとなると、悪い面もたくさん見ることになります。
理想と現実のギャップに潰れて辞めてしまう人は少なくありません。
面接の段階でネガティブなことばかり口にするのも、それはそれで避けたいものではあります。
ですが、いい面だけでなく悪い面にも目を向け、それも覚悟の上で働きたいのだとアピールするのが理想です。
筆者も「実際やってみたら想像していたのとは違うことも多々あるとは思いますが」といった具合に、ただ夢見ているだけではないことは示していました。
もちろんそれは、リサーチした上で本当にそう思ったから口にしています。
なお、ここで言うリサーチとは、新卒時の業界研究とは違うので注意してください。
もっとピンポイントな、面接先の会社のリサーチです。
大事なのは仕事のモチベーションと長期的なビジョン
実務経験やスキルに乏しいのは仕方ないとして、大事なのは今後どう活躍するつもりなのかです。
それを示すのが「仕事のモチベーション」と「長期的なビジョン」の2つになります。
- どんなモチベーションで仕事に取り組むのか?
- 将来的にどういう自分の姿を思い浮かべているのか?
これが具体的であると、未経験であっても頑張って成長し、活躍してくれそうだと思ってもらうことができます。
例えばIT企業に未経験で転職したいと考えた時に「将来性のあるIT業界で働きたい」だけでは面接官の懸念を解消できません。
理想を語るにしても「日本にはまだまだITによる業務の効率化が進んでいないという問題があるので、まずは自分自身がスキルを身に着け、社会の問題解決に貢献できる人材になりたい」といったところまで言えるようにしましょう。
このように目標が明確であるのなら、それを叶えるために頑張って仕事をしてくれそうだと思ってもらえます。
他には早いうちからマネージャーを意識するのも有効です。
多くの会社は優秀なプレイヤーだけでなく、マネージャーも必要としています。
しかし近年は出世欲がなく、それよりなるべく楽な立場でプライベートを大事にしたいと考える若手が増えていることが話題になっています。
会社としては全然嬉しいことではありません。
多くの会社にはチーム単位で活躍してほしいと思っています。
そのためにはマネージャーになってくれる人材が必要です。
そこであなたが、将来的にはマネージャーまで見据えていることをアピールするのです。
まだ働いてすらいないのにと変に感じるかもしれませんが、そんなことありません。
実際に筆者は未経験の業種・業界の面接でいずれはマネージャーになることを視野に入れていることを話したところ、非常に関心されて内定を頂きました。
中途採用ならこれくらいの意識の高さはあっていいと思います。
マネジメントの経験なんてなくても、興味があること自体がアピールになります。
この話は、すぐ短期離職してしまう懸念の解消にも繋がります。
長くその会社にいるつもりがないと、マネージャーの話なんか出るはずないからです。
本当はその気はなくても、それとなく意識していることは伝えて損はないでしょう。
謙虚さはもちろん大事
ただし面接の段階でマネージャーを意識するというのは、決して「出世街道を爆進してやるぜ!」なんてギラギラした野心を持てという意味ではありません。
謙虚さやチームワークを大事にする気持ちなんかも当然面接官には見られています。
求人票によく「人柄重視」という文言があると思います。
綺麗事だと揶揄されることもあるようですが、本当に重視されていることのほうがむしろ多いでしょう。
どんなに優秀な人でも、会社の仕事を1人で全部やることはできません。
上の立場であるほど、部下など他の人から助けてもらえるよう普段から気を配る必要があります。
それなのに実績やスキルのすごい人ほど自信があるが故に傲慢になってしまい、他の社員と上手く付き合えず短期離職……というケースが実際に少なくないようです。
それなので謙虚さを持ち、新しい職場に馴染もうとしてくれるかどうかは、活躍できるかどうかと密接に関係しています。
不幸中の幸いと言いますか、短期離職したあなたには、自信満々で傲慢になる材料がないと思います。
謙虚にならざるを得ない状況。
これは意外と自分にとってもプラスになることが多いと私は考えています。
おわりに
以上、短期離職した人に対して面接官が懸念している点と、それに対する対策の解説でした。
- うちでは定着してくれそうか
- うちでは活躍してくれそうか
面接官は結局のところ、うちでは定着してくれて活躍してくれるかを気にしています。
そのために他責思考は絶対NGです。
短期離職してしまったことを反省し、改善して成長していることを示しましょう。
しっかり面接先の会社をリサーチして、そこで長期的に活躍するビジョンを面接官と共有することも大切です。
これらができれば、短期離職という悪いイメージを覆して内定をもらうことができるでしょう。
さらに内定をもらうだけでなく、あなた自身も長期的なビジョンで会社選びができるようになるはずです。
ちなみに筆者は少しでも前の会社に問題があったと説明した面接は全部落とされました。
あなたは私と同じミスをせず、是非ともこのページの内容を参考に、今度こそいい会社に内定をもらってください。